雨で始まる。想えば先月も雨で始まったように想う。雨が好きなので朔日に雨が降ると少し嬉しい。近くの神社で手を合わせ何も願わない。防波堤に立ち海を、風を感じる。時刻はam6:30。海からの風が夏に比べて強くなっている。
9月も色々とものづくりをした。犬服であったり、寝袋であったり、トートであったり、ホームページや、ポストカードであったりと。そんな中で感じたことが「作りたいものを作るのか。」「売れるものを作るのか。」
「作りたいもの」それは感性が感じたままに形にすること。
「売れるもの」それは人の心理や、過去のデータを読み取って作業をすること。
「売れるもの」を作るのは簡単だ。でもその先に何がある。喜び、嬉しさ、感動はない。あるのは売上が上がった、下がったと言ったお金だ。ものづくりとは遥か遠くに位置する考え方だ。「作りたいもの」を作ったところでそれが売れるかどうかはわからない、そもそも売れるか売れないかは関係ない。感性が感じたままを形にするのが楽しいし、その後に訪れる喜び、嬉しさ、感動は計り知れない。
売れるか売れないかを考えているうちは、まだまだものづくりの初心者だろう。完売になっている犬服にしろ、寝袋にしろ、少しデザインや生地感が変わっても良ければ、仕入をすれば売れるものはいくつもある。でも、私達の感性がそれを許さない。そんなもの作りを始めたなら、この町に暮らす理由はなくなる。ものづくりはまだ始まったばかりだ。
海を見て、風の匂いを感じ。雲の流れを眺める。様々な鳥の鳴き声を聞く。暮れ行く太陽に心を奪われ、一日が終わる。
心の感じるままに。